マドボタルについて①

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京都大文字山で春から秋にかけて光っているホタルの幼虫について、
これまで何度も記事にさせてもらいました。

今回、

  大場信義編・写真
  「ホタル点滅の不思議-地球の奇跡(特別展示解説書7)」
  2004年、横須賀市自然・人文博物館発行

という本を見つけました。

この中で、オオマドボタルなどについて専門的に詳しく解説されています。
その内容から、過去の私の記事を一部訂正、補足したいと思います。
これで、現時点での決定版と呼べるものになるでしょう。

以下、読んで頂く為というよりは、私の中で整理をつけておくために書きます。
長く、かつちょっと複雑ですし、お読みになるのならご覚悟を。



◎本当にオオマドボタルであるか


これがどうも、かなりややこしいらしい。
オバホタルではなく、マドボタルであるのは確かなようですが。

ややこしいと言うのは、
これまでは、近畿以西・四国・九州のは「オオ」マドボタルで、
東や北に行くと「クロ」マドボタルがいると単純に思っていました。

ところが、
クロマドボタルも京都など近畿地方で確認されているのだそうです。
だから、私が見ているのはクロマド君である可能性もある。

この本は、横須賀で編纂されていることもあり、
神奈川県の情報が多いのですが、
箱根町でも両方が確認されているそうです。

だから、見た場所だけを根拠に決め付けるのは間違い。

で、もっとややこしいのが、
一般的にオオマド君とクロマド君は別種とされているけど、
実は同じ種である可能性もあるらしい。
確かに違いはあるけれど、その違いの範囲が、
種の枠を越えているかどうか、はっきりしないそうだ。

つまり、私こと園橋とアフリカ系の人は見た目に違うけど、同種である。
一方、園橋とチンパンジーは、似ていないことも無いが、種は違う。

オオマド君とクロマド君はどうなんでしょうね。
このマイナーな虫を研究している人は、それほど多くないようで、
ちゃんと結論付けるだけのデータも無いみたいです。

以上をまとめると、大文字山付近で光っている幼虫を、
素人の私が、オオマド君かどうか断言するのはかなり困難であり、
かつ両者を分ける必要すらない可能性もあるとのことなので、
今後は単に「マドボタル」と言うべきなのかな、と思います。



◎光について


まず、私が撮影すると、光が二つ写ったことについて、
一対の発光器があると書かれてありました。
見た目には一つの光でしたが、カメラは嘘をつきませんなあ。

光の強さは、「幼虫>サナギ>成虫」だそうです。
つまり、成長するにつれて、発光は弱くなる。

成虫が連続光を放ち飛ぶ様子も観察されるそうですが、
かなりの暗夜でないと分からないようだ。
大文字山のような都会の光が届いてしまう場所では、諦めるべきか。

サナギは刺激した時に、発光するそうです。
でも、私としては、光ってないサナギを見つけるのはほぼ不可能。
こちらを見るのも、諦めるべきでしょう。



ええっとね、長いので、記事を分けることにします。

つづきは、明日以降。