マドボタルについて②

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つづきです。

情報源のほとんどは、

  大場信義編・写真
  「ホタル点滅の不思議-地球の奇跡(特別展示解説書7)」
  2004年、横須賀市自然・人文博物館発行

です。

かなり専門的な内容ではあるけど、とても美しい写真も多いので、
ホタルに興味のある方は、是非、ご一読を。

もちろん、マドボタル以外のこともたくさん書かれています。
特に海外のホタルについて知りたい人には、必読書かも。

で、前の記事に引き続いて、マドボタルの勉強です。
オオマドボタルとクロマドボタルを分けずに書いていきます。


◎生息環境


林縁、特に人里の杉林とその周辺の草地に多い。これが成虫。

光が目立つ方の幼虫は、
水田周辺の草地、林縁、林道沿いの草地に生息。 ふむふむ。
しばしば、樹の上に這い上がることもある。 あるある。
杉林や竹林にも比較的多く見られる。 いてる、いてる。

そう、私が京都大文字山で見ているのも、杉林わきの藪です。
二枚目の写真のような場所です。
この左手でたくさん光ります。
右に谷川があって、ジメジメしているところです。

山道沿いでよく見ていて、
人の来ないような奥に進めばもっと多いのかと想像していたけど、
どうやらそうではないようです。



◎季節


光の目立たない成虫は、5月から7月に出現。
同じ期間に幼虫も見られます。

ここで、以前の私の記事を修正させてください。

夏に幼虫になったのが、晩秋まで光っていて、
そのまま越冬したのが、5月頃からまた出てきて、
それがサナギから成虫になると書きました。

ところが、一年で成虫になるとは限らないようで、
羽化するまでに一年以上かかると考えられるようです。

つまり、幼虫のままで夏を過ごす奴もいる。

大文字山で見られる幼虫の光の数は、
5月から初夏はそれほど多くなく、7~8月頃に多くなります。
盛夏になると、昨年来の年長さん幼虫の組に、
新しく孵化してきた幼虫さんが参入してくるということらしい。

ただ、一体、何年かけて成虫になるのかは、書かれていなかった。
けっこう難しい問題なのかもしれない。

で、これはクロマド君情報ですが、
神奈川県では6月~10月に発光する幼虫が見られると書いてあります。

私が京都大文字山で見ているのは、5月~11月初旬。
ほぼ、ぴったりと一致しますね。



◎習性など


光の目立たない成虫については無視させてもらって、
幼虫のことのみ、書かせてもらいます。

餌は、ウスカワマイマイなどの陸生貝類。カタツムリの仲間ですね。

図鑑によると、
このマイマイは、農業に害を及ぼすこともあるようだから、
マドボタルの幼虫は、ただ光るだけでなく、役に立っているのかも。

樹に這い上がれるような貝類をも餌にするために、
幼虫君は、うんこらせっと樹に登ることができます。
日本産ホタルの中で、マドボタル属だけに見られる習性だとか。

そう、私の場合も、多くは地上で見つけてますが、
中には、ササの葉の上で光っているのを見ることもあります。

可哀相ではあるけど、
ウスカワマイマイ君にどんどん樹に登ってもらい、
それをマドボタル幼虫君がせっせと追い掛けて行ってくれると、
季節はずれのクリスマスツリー状態になるんですけどねえ。
やってくれませんかねえ。



てな訳で、京都市左京区大文字山では、
これからもうしばらくすると、
マドボタルの幼虫くんの輝く姿が、見頃になります。

上の写真は、モチツツジ(たぶん)。
ちょうど今、大文字山で咲いていて、綺麗です。