歩くほどいや歩けども魚屋道

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◎川柳「歩くほど いや歩けども 魚屋道」






歴史的な旧跡に自分の足で立ってみたところで、
当時の人たちの気持ちが分かるわけではないらしい。
むしろ、風景が変わりすぎているなどの理由で、
その場に行ってしまったことが想像の邪魔になってしまう場合も多い。


六甲山の代表的な登山コースに「魚屋道」がある。

これは「ととや(の)みち」と読む。
「とと」とは上方の古い言葉で、魚のこと。
辞書には幼児語として載ってますね。

その名の通り、
魚屋さんが浜から有馬温泉まで新鮮な魚を走って届けた道で、
大正時代くらいまで、使われていたそうです。

片道約12kmで、標高約880mの山越えを、
一日で往復していた。

私も片道だけ歩いてみた。深江の浜あたりから有馬温泉まで。

晴れた12月の寒過ぎない日中は身体も楽な方だけれど、
真夏だとかなり消耗するだろうし、魚も腐りやすいはず。
オオカミに関する昔話も残っているように、
苛刻な道のりだったのだろう。

歩いてみて当時の魚屋さん達の気持ちが分かるような気もした一方、
当時の山道の整備状況だとか、
どんな足元の装備だったのだろうとか、
荷物の重さだとか、いろいろと思いをはせるほどに、
「歩けども」という気にもなりましたです。



◎川柳「捨て猫が 丸々太る 魚屋道」

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