手を抜かぬ男はやがて子らのため

◎川柳「手を抜かぬ 男はやがて 子らのため」



ロッテオリオンズのエースの村田兆治著「還暦力」を読んだ。
副題として「60歳でストレート140キロの秘密」とある。

正直、この本に目新しさは感じなかった。
かつて読んだ彼の著書と、重複する部分が多かったので。
サンデー兆治のエピソードはTVドキュメンタリーで見たし、
他の話題もラジオ出演などで複数回聞いたものだ。

だからと言ってつまらなかった訳ではない。
逆に何度読んでも新鮮で心を動かされる物が、
彼の言葉には溢れている事を改めて感じた。

村田兆治という人間を簡単に説明してしまうと、
「本物を目指して手を抜かぬ男」となる。
付け加えるなら、「とことん」手を抜かず、
「いつまでも」手を抜かない、驚異的な人間なのである。
引退後も抜かないってんだから、恐ろしい。

そんな男が手を抜かずに本音を語ったのが本書である。
読む価値があるのは当然であり、
現役の若い野球選手らも読んで欲しいなと、
勝手ながら思ってしまいます。


離島の子ども達との野球教室や試合でも、手抜きをしないそうだ。

子どもたちは、本物を見たい。
だから私は彼ら相手に手抜きはしないで外角の低めにずばっと投げ込む。

彼らの輝いた目を見るためにも、へなちょこな球は投げられない。
だからトレーニングを積んでいる。

このエピソード、好きだなあ。
何というオッサンだろう!
何度読んでも、嬉しくなっちゃいます。

野球に限らないのだろうけど、
大人が子供に本気で本物を見せるのって、大切なんだろうなあ。

私に出来ることと言ったら、
本物の競馬好きであることを見せるくらいか。

「子ども達よ! これが園橋の競馬だゾ」
「おっちゃんが選んだノヴァグロリアって、最下位やんか」

と、今週などはなってしまうのだけど。
へなちょこは、へなちょこなりに、
見せるべき物があるんやろか?