遠い目で語る所ぞ新開地(兵庫散歩)

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◎「遠い目で 語る所ぞ 新開地」



神戸の新開地って、
現時点での全国的な知名度はどれくらいなのだろう?
ほとんど知られてない、と思う。
少なくとも観光客が来るような場所ではない。

でも大正から昭和の一時期は、
「東の浅草、西の新開地」と言われるほどの歓楽地だった。

野外音楽堂、神戸タワー、聚楽(しゅうらく)館、松竹劇場・・・

昭和30年代を知る世代は、
「新開地」と聞くと懐かしく、熱く、語りはじめたりする。

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私も「兵庫散歩」を書くにおいて、この街を語りたい。
が、語る材料は本で読んで得られる情報などだから、
そこに思いを込める事が出来ない。
大阪のミナミの雰囲気だったのかな、と想像する程度です。

かつて大勢の人たちが遊び、楽しみ、憧れた街。
今、その賑わいを想像するのは難しい。
大衆劇場はあるし、市場はあるし、映画館もあるけれど、
目の生き生きとした人間の数が少ない。
浅草と比較? とんでもない。

街が衰退した要因は、
市電の廃止、映画の衰退、市役所の移転、などなど。

「神戸」というと、おしゃれな港町とのイメージが強いでしょうが、
ガラは悪いけど、人間味たっぷりのゴチャゴチャした街もあった。
その両輪があってこその神戸の発展だったのだと私は思ってます。