夢破れ欲空振りは皆仲間(兵庫散歩)

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◎「夢破れ 欲空振りは 皆仲間
            それら叶えた 奴も仲間ぞ」(兵庫散歩)



神戸の観光協会には、様々なパンフレットが置いてある。
たかがパンフなれども、なかなか興味深い話題もあり捨てがたい。

とあるパンフの記述。

平清盛一族は)骨肉の争いを繰り返した天皇家鎌倉幕府とは違い、
家族・兄弟間における謀殺事件は一度もなかったと言う。


なるほど、そんな視点があったか。

歴史の長さや権力の質が異なる天皇家との比較が妥当かは疑問だけど、
源頼朝平清盛の比較は興味深い。

弟である義経や範頼を死に追いやった頼朝。
木曽義仲だって、彼の従兄弟だ。

この時代以外にも、権力を取った後に、
一族や功臣間で殺し合いをした例は枚挙に暇がない。

兄弟でかなりややこしく揉めた足利尊氏
甥で養子の秀次一族を虐殺した豊臣秀吉
内容は異なるけど、明治維新の後の西南戦争にも類似点を感じる。
権力を奪うまでは団結・協力出来ても、その後は揉めるものらしい。

徳川家康は、割合すんなり行ってますけど。


一方、内部でいざこざが皆無だった訳ではないが、
清盛一族の結束は強固だったようだ。
むしろ、一族内での軋轢を避けるために無理をして、
周囲との関係で摩擦が生じ、怨恨も受け、
一気に滅亡へと向かってしまった様な気もする。

この辺りに、平清盛という歴史上人物の、人間くささを感じます。

仕事上は疎んじられ嫌われているのに、
家庭に帰ると立派で愛される家父長である男がいる。
逆に、職場や社会では尊敬されているのに、
家庭では暴君である男もいる。

現代に置き換えると、こんなところか。
歴史ってのは、考えるほどに面白い。


※写真は、荒田八幡神社の福原遷都の碑。