佐山和夫「野球とニューヨーク」


今年の読書初め

一年の最初に、馬券が当るとか、
面白い本に出会うとか、とっても幸せな事であります。
今年は馬券がアカンかったから、読書な一年になるかな。


本書では、ニューヨークという町が、
アイルランド系を主とした大量の移民を取り込んで発展するのと同期に、
ベースボールが生まれ国技となっていく過程、
その中でダーティな部分をも内包してしまう歴史が書かれている。

著者は、数多くの野球本を書かれている方でありますが、
私は本書で初めて読ませてもらいました。
だから本書の位置づけは分からないですが、
これ一冊で十分に「アメリカン・ベースボール」の本質が分かった気がします。

面白かった! 良い年になりそう!!


詰まらなかったページは無かったと思うほど面白かったが、
中でもどの部分に魅かれたかと考えると、
やはりヤンキースがニューヨークにやって来る際の政治的駆け引きだろうか。

伊良部、ゴジラ松井、井川、黒田、そしてイチロー
私が愛するプレイヤー達の属する(した)チームのルーツについて、
ドキドキしながら読ませてもらった。

そして、ヤンキースヤンキースたらしめた、
ベーブ・ルースルー・ゲーリックがドイツ系移民であり、
そこにも意味があった点も興味深かった。


何より、野球の歴史を知る事が、
ニューヨークの、ひいてはアメリカの歴史を知る事に直結する、
という点に十分納得が行きました。
それが本書の最大の価値でしょう。