小林明子原作「せやし だし巻 京そだち」




 マンガです。
1960年代生まれの京都の女の子の、
生活の四季が描かれてます。

3年前に出版されたものだから、紹介としては遅いけど、
長く愛されてほしい内容で感心したので、ここに。


 京都人ではない私ですが、
住んでいたので少しくらいは京都人を知ってるつもり。
だからこそ面白かったのかも知れないけど、
京都に無縁の方でもかなり興味深く読めると思います。

京都に旅行に行っても、京都人と触れ合える訳ではない。
時代が変わってはいるが、本質は変わってないと思える文化を、
こうやって味わえるのは素晴らしい。
ガイド本を手にして京都を回るのは普通すぎる。
本書を見ながら回るってのも一興では。


 私が面白いと感じたポイントは幾つもありました。

京女のおばあちゃんの雰囲気なんて、
「そう、そう、そう」と笑っちゃったし。

また、昔ながらの京都人の生活が描かれている一方で、
マクドKFC、ままごと道具など、
新しい文化が流入してきた際の、
子供たちと、大人たちの反応の違いも描かれています。
新しさに触れた際、より古さが目立つという構図、グッドです。


 昨年は、沢村貞子「私の浅草」に感動させられました。
時代も土地も表現方法も異なるけれど、
同じような感覚で読ませてもらいました。

ちびまる子ちゃん」の初期の匂いもします。

女性が描く生活エッセイって、何故こんなに心に響くのだろう?


 最後に付け足し。

だし巻は京都のシンボルフードとのあとがきは、激しく同感。
でも大阪に来てたこ焼きを食べる観光客は多いが、
京都でだし巻を食べる人はどれくらいいるだろう?

私は味音痴だし、それほど興味なかったが、
京都の市場をぶらぶらしたりすると、
いろんな店でだし巻が売られているのが目に付く。
あれは京都以外では、あまり見られない光景ではないか?

どうなんだろう?
あれ一本食べるのは多すぎるのだ。
3切れ150エンくらいで観光客に売れんのやろか?
歩きながら食べられるようにして。
そしたら、いろんな店の食べ比べも楽しめるとも思うんだ。

だし巻を食べ歩きする観光客が普通に見られる日が来ないかな?