お盆の読書






前回、このシリーズの今城塚古墳の巻を読みました。
とても気分の良い読書になったので、
もう一冊図書館で見つけて読んでみた次第です。

モヨロ貝塚発掘の歴史と、
オホーツク文化解明の足取りを
写真たっぷりで軽くまとめた本なのですが、
とっても良かった。

大正時代の、
マチュア考古学者・米村喜男衛氏の遺跡発見物語。
そして戦後日本で、
地元の方々の熱い情熱に支えられての調査により、
空前の考古学ブームを湧き起こす。

調査に携わった学者や学校教員や
高校生などによる感動の共有が、
北海道各地に波及して行って、
さまざまな遺跡の調査に繋がっていくあたりは、
こちらの胸を揺さぶる力をも持っていました。

一人の男の地道な努力が大きく花咲くドラマでした。

最近、考古学関連の本をよく読むようになったのですが、
マニアさんたちの情熱の正体が分からなかったので、
常に違和感を覚えつつの読書でもありました。
しかし、ちょっとこれで理解できたような気もします。

星4つ。☆☆☆☆





タイムスリップもののお勉強マンガ。
主人公の女子高生の成長物語の側面が強く、
好感度高く読ませてもらいました。

ワタシが子どもの頃にもお勉強マンガってありました。
でもお堅い学者さんが主として書かれていたからか、
出だしが柔らかいだけで、
全体的にはほぼ教科書同然だったように思う。

しかしこれはそんなこと無くて、
力のある作者さんが、
心をこめて、決意も込めて最後まで書かれている。
こういうマンガで勉強できる世代が羨ましい。

星4つ。☆☆☆☆





奈良県橿原考古学研究所の編集によるもの。

ナントカ研究所とか教育委員会とか、
そんな公的機関が「100の謎」的な本を出すのはよくあること。
それらが総じて参考書的で、
読書の対象としてはつまらないのも事実。
正直、個人的に好きではない。
かなり無理のある「謎」ばかりだったりするし。

でも本書は、許容範囲というか、
合格点をつけられる出来になってました。
手にする価値あり。

藤原京」という存在は、
歴史的価値と比べると一般的知名度が低い。
そこを何とかしたいという思いを執筆陣が共有していて、
熱意がこもった文章になっているからだろう。

星3つ。☆☆☆