草地と日本人






著者は、須賀丈・岡本透・丑丸敦史のお三方。
副題「日本列島草原1万年の旅」。


アマゾンから、内容紹介をコピペします。


日本列島の土壌は1万年の草地利用によって形成されてきた
―先史時代、万葉集の時代から
ひとびとの暮らしのなかで維持管理され、
この半世紀で急速に姿を消した植生である、
半自然草地・草原の生態を、
絵画、文書、考古学の最新知見を通し、
気鋭の研究者が明らかにする。


戦前頃まで、日本には今よりもずっと広く草地があった。
それくらいのことは私でも知っていた。
だから、本書を読み始めた時、
どうせほとんど知っている内容だろうと期待薄だった。

いやいや、
今は思いあがっていた自分を反省するばかり。
想像外の方向からパンチを受けた様な新鮮な気分です。


私にとっての本書の価値は、この一文に尽きる。


日本の人里の草地は
氷期に広がった草原がその基になっており、
氷期の人間活動によって
氷期由来の生物の逃避地として維持されてきた。


単に草地があった訳ではない。
それが、氷河期の日本の植生・生物相と繋がっている。

縄文時代には日本も暖かくなって、
そのままなら森林化が進んだはずなのだが、
どうやら人為の火入れが行われ、草地が作られていた。
それが、戦前までの日本の里の風景に繋がる。


うーーーん!!! 考えたことも無かったな。

特に、縄文時代に火入が行われていたらしい事を、
私は全く思ってもみなかったです。
それについては別の本もあるみたいなので、
是非、読んでみるつもり。


いやあ刺激になりました。星5つ。☆☆☆☆☆