生物多様性




最近、よくここで自然・生物の本の感想を書いている。

面白く感じた本が多いからブログ記事にする訳だが、
「ハズレ」本だって、あるにはある。

連休中に目を通した生物多様性についてのものも、そう。

書かれてあった通りなのだが、
生物多様性」という言葉には、
啓蒙用に使われたり、政治的に使われたり、
よくよく考えると中身が曖昧だから、
それを伝えようとする本も明快さを欠く事になるらしい。

徹頭徹尾、歯切れの悪い読書になってしまった。


ここで、私の考えを開陳しておく。

何故、生物多様性は大切なのか? 
守らねばならぬのか?

そこでこそ輝く人がいるからだ。

先に、フィールドの生物学シリーズを読みつつ思った。

この世に大自然があり、
個性豊かな生物が数多くいて、
複雑に関わり合っている場所がある。
ずいぶん減ってしまっているけど、まだ残っている。

そんな場において、若い生物学者や、
それを目指す人達がキラキラと輝いている。
素晴らしい生物の写真を撮るカメラマンや、
更に次世代に繋げようと活動する教育者もいる。

野茂やイチローに素晴らしいスタジアムが必要なように、
そんな彼らには生物多様性が必要なのである。

年齢を重ねるとつくづく思うのだが、
情熱を燃やす若い連中ほど嬉しいものはない。
そんな彼らに、いろんな場を用意するのが、
年配の人間の役割であるはずだ。


「ハズレ」本を読みつつ、心底思った。
正直に書いたらどうなのだろう?

「俺たちと俺たちの後輩のために、自然を残せ!」と。