小松貴「虫のすみか:生きざまは巣にあらわれる」
「裏山の奇人」に続く、
小松先生による実質二冊目の著作である。
相変わらず、抜群に面白い。
前作のような興奮はないが、
一つ一つの節を丁寧に読ませてもらい、
進んだり戻ったりで堪能させてもらいました。
内容の広さ、深さ、豊さ、どれをとっても言うことなし。
数多くの写真には、ため息が出て来ます。
文章も、構成も、素晴らしい。
観察するとはどういうことか、
それを他者に伝えるにはどうするのが一番か、
とても良く分かりました。
私は山歩きが好きだ。
一応、植物は丁寧に見ているつもりだが、
勉強する程に、見落としている事ばかりと気付かされる。
到底、昆虫やクモには目が回らない。
特に地中にいる虫たちなんて。
しかし、小松先生や丸山先生のように、
豊富な知識と経験を持つ方が、
私が見過ごしている身近な自然を詳しく観察し、
こうやって発表してくれている。
それを気軽に読めるとは、なんと幸せな事だろう!
一つだけ文句を言わせてもらおう。
中学生の時に読みたかった!
この苦情もワンパターンなのだが、
結局、行きつくところはそこしかなかった。