有馬では上を向いて歩こうよ

◎短歌もどき「有馬では ♪上を向いて 歩こうよ
              ○○○がこぼれ ないように・・・」




先日、有馬温泉経由で六甲山から帰りました。

宝塚から路線バスで行ける古い温泉街ですが、
私は、この街を通るたびに、ヨカラヌ事を想像します。

下ネタでございます。




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以下、桂米朝さんの本に載っていた、
有馬を舞台にした落語(小噺)をご紹介。

有馬温泉の宿は、斜面に建てられており、
お手洗いは、その一番下にありました。
二階でくつろいでいる客は、
一階に降り、そのまた下の階に降りなければならない。
とても面倒です。

そこに目をつけて、ある男が商売を始めます。

節をくり抜いた竹ざおと、肥桶を持って、
「二階から小便さしまひょ」
と言い歩き、一回四文で、竹ざおに小便をさせるわけです。
将棋に熱中している人などが、これは便利と利用します。

ある二階のお座敷に、妙齢のお嬢さんがおられました。


 女「とう(嬢)さん、そんなこと言うたかて、
  辛抱できるものやあらしまへん。行かな・・・」

 嬢「そうかて恥ずかしい。
  あの入り口に若い男の人がぎょうさんいてはる」

 女「かなわんな、ほんまにガラの悪い連中、
  とうさんがお手水に入らはるのを見て、
  ワーと囃すさかいに。
  それでもいつまでも辛抱できるものやない。
  行きまひょいな」

 嬢「イヤや」

 女「イヤや言うたかて、
  この二階にはな、お手水があれしまへんねん」

 男「えー、二階から小便さしまひょ」

 女「えらい面白いお人が来た。
  ちょっと、ちょっと、あんたお手水屋はんかえ?」

 男「へえ」

 女「二階からでけるんのん?」

 男「へえ。四文になっとります」

 女「・・・恥ずかしがらんと、
  こっちへ来てしなはらんかいな。
  ちょっと! お手水屋はん、あんたな、上見んようにな。
  必ず上向いたらあかんし!」

 男「上なんか見ィしまへん」

 女「さ、早いことやってしまいなはれ」

 男「さ、どうぞ。上なんか見ィしまへん。
  ・・・あれ、なんでこないに・・・手が濡れるやろ。
  ・・・どないしてんねやろ、上見るな言うたかて・・・
  ワッ、じょうご持って来たらよかった」


「有馬小便」という話。