葉っぱ(読書雑記)



この2~3カ月ほど、
我が読書の中心は図鑑でした。

特に、林将之氏の実物スキャンの出版物が、
私にとっては非常に有用で、
図書館で何冊も借りては長く眺めさせてもらいました。









これまで植物図鑑って、実用性が十分ではありませんでした。
山で知らない樹木に出会って、写真を撮っておきます。
帰宅後に名を調べる訳ですが、
なかなか見つからない場合が多かった。

でも、これらの著作でそういう不満がかなり解消されました。

特に「樹木の葉」という分厚い図鑑は大したものです。
ここまで葉について、広く、詳しく解説してくれて、
本当に有り難い。
名の分からなかった木の身元確認が一気に進みました。

また、夜な夜な、これらを眺めていると、
「次に植物園に行ったときに、この木の葉のこの部分を見よう!」
と、注目ポイントが頭に入って来てくれます。

知らない木について分かるように、
そして知っていた木についても更に理解ポイントが増えるように、
私の知識を導いてくれます。

この有用性は他に代え難い。
星5つ。☆☆☆☆☆





そしてもう一冊、葉に関して文句なしの五つ星が、これ。
葉や、実や、花などを、
原寸大で丁寧に丁寧に描く著者のエッセイ画文集です。

不思議なんです。
葉っぱなどを絵にしただけなのですが、
何故、こうも胸を打たれるのだろう?

トチの冬芽の絵・・・伝わって来る漲る力は何ですか?
ナスの花と葉・・・脱帽の一言です。
ユリノキ、キリ、ヤマグワ・・・

特に珍しい植物は描かれていません。
少なくとも私にとっては見慣れた物ばかり。
しかし、「見慣れる」って何なのだろう?
自分には見えてない、こんな世界があったとは!


林氏の著作のスキャン写真は、
葉の特徴を見やすく分かりやすく、伝えてくれている。

群馬氏の著作の絵は、
葉だって命そのものの存在であり、
対話しながら描くことで絵に宿る「何か」を伝えてくれている。
喜びだったり、勇気だったり、
心の中に温かく輝くものが生み出される感じがします。

どちらも素晴らしいとしか言いようがない。
それらを並べて眺めることで、
かつては考えもしなかった内面の相乗効果も生まれています。

この年末、至福です。