地衣類について


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この石垣を黄色くしている存在。
ロウソクゴケの仲間、としておきます。

彼の敵は、ケルヒャー


地衣類について続けます。

森を歩いていて楽しいのは、
そこに暮らす多くの動植物たちが、
お互いに関係しあって生きているから。

ミツバチは花粉を運び、
野鳥たちは植物の種を散布し、
植物は蜜などを見返りに与える。

ミミズは落ち葉を食べ土を耕し、
キノコは倒木を腐らせ土に返したりする。

木はそこにあることで、
山の保水力が増すし、土砂災害の危険性を減らす。

もちろん、人間の価値観からすると、
負の関係性もある。
カミキリムシはザイセンチュウを広め松を枯らす、とか。


さてでは、地衣類はどうか?

うーーーーん? なのである。

北欧で、トナカイが地衣類を食べるけど・・・

もし今、地球上からミツバチが消えたら、
とても大変なことになる。

じゃあ地衣類が消えたら?

何も起こらぬとは思えないが・・
ちょっとよく分かんない。


実は、コケやシダも、似たようなところがある。

もちろんミズゴケは湿地で大きな役割を果たしているが、
その他のコケは?

ワラビやゼンマイを私たちは食するけど、
その他のシダ類は?

近年、コケ女子ってのがいて、
彼女たちは「かわいい」と言う。
逆に言えば、かわいさという造形美以外に、
価値を見出しにくい存在なのだろう。

「何の役に立ってるんですか?」と問われると、
答えに窮してしまうのである。


そんな地衣類、コケ、シダに興味を持とうとするなら、
想像の翼を広げ太古に思いを馳せるのが一番。

それぞれ、地上の主であった歴史があるのだから。


私は思うのである。

上に書いた、ミツバチと植物とか、
野鳥と植物とか、落ち葉とミミズとか、
その関係性は非常にスピーディーだ。

ミツバチと受粉・結実なら
数か月で結果が出る。
だから私たちにはわかりやすい。

でも、地衣類とか、コケとか、シダとか、
過去の地上の主たちの子孫は、
とてもゆったりとした時間の流れの中で、
他の生物に影響を与えているのだろう。

百年、千年、万年、十万年・・・一億年・・・

そんなタイムスパンで考えてはじめて、
地衣類が地球にあってヨカッタ、と実感できる。

近くばかりでなく、遠くも見ましょうよ!

そう語りかけてくる存在なんじゃないかなあ。